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手作りの中性子ビームラインでソフトマターのミクロ構造を観察する

植物や微生物のセルロース合成の例でみるように自然界で営まれる秩序構造形成を考えるとき、化学反応のすぐ隣で連続して起きる自己組織化が重要です。このような興味のもと私たちは中性子小角散乱 (Small-Angle Neutron Scattering 略してSANS)のビームラインを建設して、ソフトマターのミクロ構造を観察しています。中性子はその名のとおり電気的に中性です。そのため電子の雲を突き抜けて原子核近傍で核力を介して 相互作用します。その結果、散乱や吸収します。中性子が核力で散乱することは、同位体同士で優れたコントラストを持つことを意味します。つまり重水素置換した試料を準備すれば、化学的性質を変えることなく特別なコントラストを 得ることができるわけです。また優れた物質透過性も特筆に値し、数センチのアルミニウムやクオーツ板に対してはほぼ100 % の中性子が透過します。さらに中性子が質量をもつことを反映して低エネルギー(数meV程度)という 特徴があります。そのため試料に中性子を照射することで化学結合を破壊してラジカルを誘発することはありません。すなわち物質や生物が存在するありのままの環境で、ユニークなコントラストを使い、物質の構造のその場観察が 可能です。故に「生きたままを見る分析技術」と言えるわけです。このような中性子の特徴を活かして、固体高分子型燃料電池、リチウムイオン電池、生体試料、タイヤなどのゴム材料の研究を行っています。

私たちは小角散乱プロジェクトを推進しています。

主なビームライン建設:
(1) 大強度陽子加速器J-PARCのiMATERIA装置(BL20)の建設、利用
(2) 夢のコントラスト変調法である「動的核スピン偏極」の開発
(3) 小型中性子源小角散乱装置ib-SASの開発 (JST研究成果最適展開支援プログラム ASTEP採択)

中性子散乱による各種電池のマルチスケール&オペランド観察によるプロジェクトの推進:
(1)固体高分子形燃料電池のプロジェクト (H28〜NEDO受託研究事業)
(2)リチウムイオン2次電池のプロジェクト(H28〜NEDO受託研究事業)




参考資料:
(1) 中性子小角散乱は生きたままを見る分析技術 -重合反応を追跡する- 日本ゴム協会誌 84巻3月号87-93 (2011)
(2) 高分子先端技術 One Point「高分子分析技術最前線」2007 年 高分子学会編集(共立出版)
(3) 量子ビームが照らす高分子 -高分子科学における中性子利用 原子炉と加速器- 高分子学会誌 58巻10月号(2009)
(4) 原子炉における小角散乱装置 波紋 (2014)
(5) 中性子超小角散乱法 RADIOISOTOPES Vol.60, No.3 (2011)
(6) J−PARC加速器概論 (量子線科学専攻ビームライン科学コース 2017)
(7) 大強度陽子加速器の中性子小角散乱の最新- 高分子学会誌 66巻8月号(2017)

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